熊本県京丈山(1473m)
九州百名山地図帳(山と渓谷社)No53



2016 年
11 月18日・・・丈山のワナバノ谷を歩く

 
  
    ワナバノ谷の登山道(40度を超える急傾斜地を渡る。崖下には渓流が流れて いる)


 昨年は京丈山の北側(柏川コース)から登り、美しい紅葉を味わったが、今年は少々遅いものの南側から眺めてみようということになった。
友人と2人で、国道445号線で二本杉峠を越えハチケン谷登山口前のスペースに車を駐車して、ハチケン谷から山頂経由してワナバノ谷へと下る周回コースを たどることにした。
 ハチケン谷コースについては2115年5月20日、2015年5月22日2015年4月24 日にすでにレポートしているので今回は、山頂からワナバノ谷を 通るコースについて記載 してみたい。

  ハチケン谷登山口9:05ー林道終わり10:00-京丈山山頂10:50(昼食)11:30-平家山分岐12:00-水場12:40
ー二俣13:05―渡渉点橋跡13:40-ワナバノ谷登山口13:50ーハチケン谷登山口15:00 (全行程13km)



ハチケン谷 登山口。フェンスを回り込み林道を登り始める。手前が駐車場。我々1台のみ。
林道から稜 線へと登り雁俣山からの道と合流。この辺りから山頂へは石灰岩群が連なる。
京丈山山頂 にて。この日はガスっていたものの雲仙、太良岳あたりまで見通せた。



山頂の10m手前に平家山への分岐案内板が 立っている。ここから平家山への稜線づたいに下っていく。
下り始めると景色は一転し、ブナやヒメシャラなどの高木が現れてく る。脊梁らしい風景である。踏み跡が不明瞭なところも多く、数少ない赤テープを頼りに歩くしかない。


稜線沿いには倒木も多く、そのたびにルート が途切れるため、立ち止まって赤テープ探しが続く。


徐々に稜線も狭くなりルートも明確になって くる。ところどころ右側が見通せるが、どれが平家山か確認できない。中央は南平家山や五家宮岳ではないかと思われる。


30分ほどで平家山分岐に着く。ここからし ばらく下ると杉林に入り急傾斜地を下っていく。
途中で林道 (ハチケン谷の林道からつながっているらしい)を横切る。さらに植林の中の急傾斜を下っていく。


下りついた 所が水場である。石灰岩の中を澄んだ水が流れている。ここからは川沿いに右に左にテープはあるが、水が少なければ川を歩いたほうが歩きやすい。
何ヶ所かは 川岸の急傾斜を横切らざるを得なかったが、徐々に川を下っていくと二俣に着く。右から大きな谷が合流してくる。ここからしばらくは涸れ川になる。

途中から水 流が戻ってくる。二俣から渡渉点の橋跡までは斜面の傾斜がきつく滑らないように慎重に進む。足元の土砂が柔らかいため、いつ崩れてもおかしくない。


30分ほど で左岸へと渡る。ワイヤーなどが残っており橋が架かっていたらしい。ここから登山口までは左岸沿いに歩きやすい道が続く。


林道には登 山口の標識が立つ。登り190分と書いてある。
この案内板 には「ロープ、危険個所多数あり」「最後の水場プレートより右上へ」「林道は横切り上へ」との落書きあり。その通り!!納得。


ワナバノ谷 登山口からハチケン谷登山口までは1時間余りの林道歩きである。この高度にはかろうじて紅葉が残っている。


同 左
同 左

 京丈山は登るコースでその表情ががらりと変わる山である。ハチケン谷からのコースは家族向けのハイキングコースといってもよい。
黒原からのコースはほとんど登ることなく稜線づたいにゆるい上下を繰り返し山頂に立てる散策コースである。
柏川からのコースは自然が残ったままのコースで野性的な感じである。山の深さを感じるコースである。
今回使ったワナバノ谷は自然は残ってはいるもののかなり荒れており、危険な箇所もある。冒険心をくすぐられるコースである。ただし登りに使うとかなり消耗 しそう である。