鹿児島県屋久島モッチョム岳(940m)

九州百名山(山と渓谷社「地図帳」)No98

 

 

2017年8月26日 熱中症、ヤマヒルと戦いながら山頂を目指す。

       尾の間集落から朝日に輝くモッチョム岳を見上げる

 

 

頂上岩峰には裏側からロープを頼りに這い登る

 モッチョム岳はその山容が美しいことから、宮之浦岳や永田岳と並んで屋久島の代表的な山としてよく紹介されている。しかしながら標高は1000mに満たない山である。
 解説本などに「急峻なこの山に登れれば、屋久島の他の山は大丈夫だ。と言われている」と書かれている。実際、我々も地元の宿で「モッチョムですか、頑張りましたね。」と声をかけられた。

 覚悟はしていたが8月の暑さと湿度の高さに死ぬかと思うほど過酷であった。標高が低くうっそうとしており、まさに蒸し風呂の中である。歩けば汗がどっと噴き出し、まったく乾かない。ヤマヒルには絶好の環境である。下ってみればシャツに血がついており、ヒルに噛まれたと初めて気づいた次第である。

 時間は標準時間の1.5倍ほどかかったが、とにもかくにも、谷川の水を頭からかぶりながらなんとか熱中症にならずに下れたのは幸いであった。

千尋滝駐車場(登山口)8:00-万代杉10:00―展望所(979m)12:00―モッチョム岳山頂13:00(昼食)13:30―展望所14:30―万代杉15:35―駐車場16:45(全行程6.2km)

 

   
千尋滝展望所の駐車場。がら空きである。この日山中では3人に会っただけだった。
  駐車場のすぐ先、千尋滝展望所へ向かう遊歩道の途中に登山口はある。   最初から急坂が続く。万代杉の稜線に上がるまでは、坂は急だが踏み跡もしっかりしており比較的歩きやすい。が、時間とともにじりじりと熱くなる。

   
やっとたどり着いた万代杉。根元から見上げる感じが良い。推定樹齢3000年とか。屋久杉も大きいものばかり見ていると少々慣れてしまって感覚がマヒしそうだ。

  見上げてもカメラの画面に入りきらない。この稜線まで来れば残りは楽かと考えたが甘かった。ここから先も延々と急坂は続く。   巨木が増えてきてうっそうとして苔が深くなる。踏み跡もだんだんと薄くなってくる。熱帯雨林といったところか・・・
   
沢を何度か横切るが、「汗を拭く」、「顔を洗う」、「シャツを水でぬらす」、「頭から水をかぶる」・・・と、だんだんとエスカレートしてくる。
とにかく蒸し暑い!!

  モッチョム太郎の巨木。   岩と木の根が絡まる中を、この登山路の最高点である展望所(979m)へと登る。
   
展望所から痩せた尾根づたいにモッチョム岳山頂を目指して下る。この尾根道は踏み跡も薄くなり、崖の上り下りも多く危険なところもある。ルートを外れないことが大事だ。

  尾根上の最鞍部からモッチョム岳山頂を望む。もう少しだ。   振り返ると展望所ピークの西側には巨大な一枚岩が広がっている。
   
モッチョム岳の頂上へはロープを頼りに花崗岩の一枚岩を這い登る。

  山頂から南東方向の東シナ海を望む。足元は切れ込んでいて見えない。940mの高度感を味わえる絶景である。   山頂から南西方向。尾の間の集落が真下に見える。
   
暑さにくたばった顔で記念撮影。   北側を見上げると展望所のピークが中央に見える。その後方には耳岳、割石岳と次第に高度が上がり、屋久島の中心部へとつながっている。
  帰りには千尋滝の展望台まで行ってみた。ここの一枚岩もとてつもなく大きい。

モッチョム岳で見たキノコなど

   
紫色も珍しいのでは?   食べられそうな気がするが・・・   サルノコシカケかな?

   
ペンキで塗ったようなペンキダケ?
  子犬の肉球ダケ?   キンシタマゴダケ?
   
上部の根っ子は、巨大なワシが登山者を威嚇しているようだ   この倒木は下を通る登山者をにらみつける。   キノコではないがヘソの横に残ったヤマヒルダケ?(ヤマヒルの傷跡)
1週間ぐらい血液がにじみ出ていた。