鹿 児島県宮之浦岳(1936m)

九州百名山「地図帳」(山と渓谷社)No100

2018 年5月16日  淀川登山口から宮之浦岳まで往復 


      投石平付近で咲き始めていたヤクシマシャクナゲ

宮 之浦岳山頂直下の巨大な花崗岩(後方は翁岳)


 友人から屋 久島に登りたいとの誘いを受け、3人で淀川登山口から日帰り登山に挑戦した。3人の平均年齢が70歳を超えており、少々無理はあるものの、荷物の負担軽減 と体調変化への対応がしやすい日帰りで登ることにした。

 前日、高速船で宮之浦港に到着後、レンタカーで白谷雲水峡に入り弥生杉や二代大杉などを見て安房の民宿に宿泊、居酒屋「やしま」で前祝をすませ、朝4時 に安房を出発。5時に淀川登山口に到着し、「長い1日」が始まった。

 標準所要時間の1.2倍で計算すると下山は17時ごろになるので、「ゆっくりでもいいのでとにかく歩き続けること」、また、「遅くとも12時になったら 迷わずに折り返すこと」を約束して出発。天気予報から曇りの可能性を覚悟していたが、この日は雲一つない快晴に恵まれ、むしろ暑いくらいであった。

安房4:00―淀川登山口5:15―淀川小屋6:00―(途中朝食15分)―花之江河8:00―投石平9: 00―栗尾岳への鞍部10:30―宮之浦岳山頂11:25(昼食)12:00―栗尾岳への鞍部12:30―投石平14:00―花之江河15:10―淀川小 屋17:00―淀川登山口18:15(全行程14km)


 前半の登りは標準時間と同じスピード で流れていたが、下りになると次第に時間がかかりだし、最後には標準時間の2倍に近い時間がかかっている。それでも足を引きずりながら日没前にはどうにか 登山口へと下りてこれた。13時間の歩行というこれまででは最も長い一日であった。


 疲労困憊とはいうものの、宿に帰り風呂を浴び、この日も居酒屋「やしま」まで出かけて祝杯をあげた。お互いの労をねぎらい、感動を共有しあい、ラスト オーダーまで楽しい時間を過ごすことができた。


 屋久島の大自然は美しい。杉も、岩も、川も、水も、猿や鹿も。そして山も大きく美しい。ありがとう屋久島!!!

 

         
  淀川登山口から登り始めると、右にも左にも屋久スギやモミなどの巨木が現れはじめる。上を見上げ、足元の根っ子を確認して歩くのは首が疲れるものだ。
    淀川小屋のすぐ手前からいよいよ世界遺産の指定地域へと入る。
    ほどなくして淀川小屋に到着。ここで小休止。
         
  淀川小屋横の鉄橋を渡る。ここの水はいつ見ても美しい。今回は光の関係で写真に水が映っているが、時間次第では水が見えないことがある。

  ここからしばらくは巨大な屋久杉の連続である。
    尾根つたいに快適な登山路が続く。登山路の平たい部分では花崗岩の真砂が広がっており快適
な登山路である。
         
  小花之江河のすぐ手前にある展望台からは高盤岳(1711m)の山頂にある豆腐岩が見える。

    次の展望台からは黒味岳が目前に迫ってくる。山肌がピンクに染まっているが、どうやらアケボノツツジやミツバツツジのようだ。
    ほどなくして小花之江河、さらに花之江河に到着。青空のもと水が織りなす風景が美しい。
         
  花之江河を過ぎると黒味岳分岐まで登りが続く。
登山路のいたる所に水が流れており木道も随所に設けられている。

    黒味岳分岐から緩やかに下ると投石平へと入る。入口の花崗岩の一枚岩は狭い溝をロープを伝って登りきる。     投石平のすぐ上にある「投石岩屋」。かなりなスペースであるが、寝ているとき地震が起こることを考えるとちょっと怖い。


  今年の春は暖かったせいか、ところどころにシャクナゲが開花している。大半はまだ蕾だが花数は多いようだ。

    シャクナゲ越しに栗尾岳を望む。この坂は宮之浦岳への最後のきつい登りだ。     栗尾岳を過ぎると宮之浦岳は目の前だ。走ってでも行けそうな距離である。
         
山頂にはツ アー客が数団体おり、結構窮屈な感じであった。このうち2団体は我々と同じく往復組で、我々と前後して下り始めた。


山頂の三角点の前で記念撮影。

山頂からは永田岳が足元に広がる。



帰りの途中で屋久シカに出会う。今回はこの 1匹だけであった。



登山路沿いの白いツツジの花?
下りは超スローペースである。余力があり変化する花や景色を堪能しながら下る者と、目を皿にして足元だけを見て下る者とに明暗が分かれる。共通するのは 「日没までには下りたい」との思いであった。