鹿児島県屋久島 愛子岳(1235m)
九州百名山「地図帳」(山と渓谷社)No96
麓の県道から見上げる愛子岳
山頂直下に広がる花崗岩の岩壁
2019年10月5日 暑さも過ぎたので屋久島の中でも標高の低い愛子岳に登ってみる。
屋久島は今
年の梅雨時に集中豪雨に見舞われたことは記憶に新しい。土砂降りの中をガイドや自衛隊などに支えられて下山する映像がテレビで何度も流れてきた。林道の崩
落もあり、今年の夏は観光客も少なかったらしい。 一昨年8月に本富(モッチョム)岳に登り、うだるような暑さの中、熱中症寸前の状況に苦しんだことから、今回、愛子岳へは10月になってから登ることにし た。 早朝に安房近郊の「森のこかげ」ロッジから愛子岳登山口まで移動して登山を開始した。登山口の標高は170mほどしかなく山頂までの標高差は1050m を超える。我々の体力では急がずにゆっくりと登るのが一番である。とにかくゆっくりと・・・ 愛子岳登 山口6:30-400m地点7:40-600m地点8:35-大木切株9:30-水場分岐10:30-断崖下11:00-山頂11:50(昼食)12: 50-断崖下13:20-水場分岐13:50-大木切株14:20-600m地点14:45-400m地点15:10-登山口16:00 (全行程7.5km) |
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登山口のすぐ下にある空き地に駐車する。登山口は右にカーブして直ぐのところ。 |
登山口には案内看板が立っている。ここから左に入る。 |
登山道は常緑の照葉樹が茂っており、路面も整備されている。 |
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標高200mごとに樹木植生の開設看板が設置されている。単位面積当たりの樹木の本数も記載してあるので付近の樹木名が分かるものもある。 |
この辺りは大きなヒメシャラの木が何本もある。 |
足元に巨大なミミズが横たわっていた。40cmを超える長さである。過去に出合った山ミミズとは長さが違う。この先何に出会うか少々不安になる。じわじわ
と移動していった。 |
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標高800m付近の道端にあった切り株。登山案内などに記されている「しるべの木」とはこの木のことではないかと思われる。 |
この辺りから稜線の北側へと回り込み、奥まったところに水場の案内板が出てくる。次第にうっそうとして登山路も荒れてくる。 |
標高1000m近くからは屋久スギやモミなどの針葉樹が密生してきた。 |
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稜線の北側に当たる谷間は湿度が高く、枝葉には昼間でも露が付いている。コケも広がっており荒れた登山路をゆっくりと慎重に登る。ここら付近でヤマヒルに
襲われていたことが後で分かった。 |
984mのピークから愛子岳へと続く稜線に上がると、初めて愛子岳のピークが見通せた。花崗岩の大きな岩壁が広がっている。 |
いよいよ最後の岩壁に挑む。標高差150mあり、何か所ものロープ場を超えて山頂を目指す。 | ||
山頂は広く見晴らしはよい。登山者は我々だけであった。 |
屋久島中央部の方向は雲に覆われ全容は見えない。 |
北側は小瀬田集落が見え右手に空港が、左手には東シナ海が広がっていて絶景である。 | ||
愛子岳に初めて登ってみて、名前とは裏腹にかなりハードな山であった。登山口からの高低差が大きく時間がかかること、また、山頂直下の急峻な岩壁の連続 も緊張を余儀なくされる。加えて中腹以降の斜面は湿度が高く亜熱帯の密林の体をなしておりヤマヒルとの戦いも求められる。モッチョム岳に続いて今回もヤマ ヒルにやられてしまった。夫婦そろって脇下、足首にかみつかれてしまった。「恐るべし!愛子岳」である。 この山は近年登山者に注目されだした山で、以前のガイドブックにはほとんど記載がなかった山である。しかしながら海岸から見上げる秀麗な姿と、山頂付近 に広がる花崗岩の岩峰の雄大さを考えると、文句なしに九州百名山に選ばれるだけの山だと感じた。 |
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途中で出会った花など | ||||
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