長 崎県雲仙九千部岳(1062m)
九州百名山地 図帳(山と渓谷社)No21


2016年7月5日 ・・・  そろそろ終わりとなるヤマボウシの山へ

 
6月 14日に雲仙を訪れた際、もう数日でヤマボウシは満開の状態であった。
その後、梅雨の晴れ間も一変し雨が延々と続き、なかなか登山の機会に恵まれなかった。
 7月5日、ようやく天候と夫婦の都合とが一致し、「おそいかな・・・?」と思いつつも九千部岳へと向かった。
多以良港へフェリーで渡り、県道 を吹越峠へと向かう。車中から見る限り山肌に白いものがほとんどない!!
 「初夏の山を歩くのも乙なもの」と自分に言い聞かせながら、九千部の山頂へと向かった。


 山頂南面のヤマボウシ。どうやらぎりぎり間に合ったようだ。



吹越トンネル横駐車場9:30―九千部登山口9:40― 田代原分岐10:25―九千部岳山頂11:00 11:20 ―駐車場12:20


 

吹越トンネ ル手前の駐車スペース。他には車がない。やはり遅いのかな? 道路端に数本は咲いているが・・・ 国道を10 分ほど下り、登山口から登山道に入る。ここは九州自然歩道である。入り口付近は階段等も整備されたのだろうが、今ではだいぶ荒れてかえって歩きにくい。 坂道を20 分ほど上下すると、その後は等高線に沿った巻き道となり歩きやすい。南向きで晴れていてもほとんど日は差し込まない。緑が深く、鳥の声が美しい。



雪が降ったように地面に広がるヤマボウシの 花(正確にはガクではなかったかな?)ビラ。 1時間ほど で田代原からの登路と出会う。地図には「鳥居」と書いてあるがどこにあるのか分からなかった。 分岐から山 頂まではかなり急な坂が現れ、ロープ等も張ってある。山頂まで距離が短い割りには時間がかかる。



尾根筋のいくつかのピークがあり、「山頂 か?」と騙され傷つきながらこれらを越えていく。 山頂からは北側(田代原方面)の見晴らしはよくないが、東側(平成 新山、妙見・普賢岳)、南側(雲仙温泉街)、西側(橘湾、長崎市)は素晴らしい眺めである。 霧が晴れると真正面に平成新山の溶岩ドーム が現れる。




登山路沿い で見た花々





 雨上がりであったため、北斜面にあたる田代原からの周回コースを取らずに、吹越トンネルからの往復コースを取ってみた。八 軒谷橋駐車場―京丈山登山口―京丈山―駐車場
火山性の土壌のせいか、雨の後でも比較的安全に歩くことができた。
 ヤマボウシの花は、林の中で見上げてもよく見えるものではない。山の稜線から見下ろして愛でる花である。
今回のコースはどちらかというと山の南面を通るルートであり、時期も遅いことからだめかもしれないと半ばあきらめていたが、
実際に登ってみると、山頂南面にはそれなりの集団が残っておりホッとした。
 この山は雲仙にあっては標高が低く、普賢・妙見から見れば付属品のようなもので大したことはなかろうと勝手に想像していたが、
いざ登ってみると、それなりに美しい山であった。ヤマボウシがなくても美しい山であった。

 帰りは雲仙から県道128号線を橘湾に向けて下ってみた。海岸近くから雲仙を眺めると千々石断層、九千部岳断層など何本もの断層が東西に走っており、
まっすぐに伸びる切り立った断層面が独特の地形をなして美しい。朝方に通った雲仙北側のなだらかな斜面とは対照的で面白いものである。