熊本県トンギリ山(1250m)・黒峰(1283m)
西日本新聞社の季刊「のぼろ(2018年冬 19
号)」で紹介されている
1回目:2018年11月20日 2回目:2019年11月6日
2018年11月20日 西郷隆盛が西南戦争に敗れ人吉へ向けて敗走したルートをたどる。
黒峰へ登る途中から振り返るとトンギリ山が目の前にそそり立つ。
登山路の下のほうにはモミジの紅葉がまだ残っていた。
西郷隆盛は、熊本での西南戦争に敗れたのち、矢部を通り栗藤登山口から稜線に上がり、小川岳、向坂山、扇山と続く「霧立越」を敗走したと伝えられている。 稜線に上がってすぐ南にあるピークは、西日本新聞社の雑誌「のぼろ(vol.19)」に「トンギリ山」として紹介されている。 また、熊本の地方紙「熊本日日新聞(2018.11.14朝刊)」には、「この地域のルートを開拓してきた永谷誠一さんの名前入りの標識がトンギリ山の 山頂に設置された」ことが紹介されている」。 朝晩は冷えてきだした今、興味の尽きないこのコースを夫婦二人で歩いてみた。 栗藤登山口P9:20― 一ノ瀬越11:00―トンギリ山山頂11:30 11:40―黒峰山頂12:25(昼食)12: 45― 一ノ瀬越13:00―登山口P14:10 |
栗藤集落に入るとすぐのところに駐車スペース
がある。この日の登山者は我々ともう一人トレイルランの方と3人であった。 |
駐車場から数十メートル進んだところに登山口
の表示がある。 |
登山道に入るとすぐに「西郷さんが通らした
道」の看板ある。この登山路は石を敷き詰めたり、斜面を削ったりして通りやすくされており、長い間整備されてきたことが感じられる。 |
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集落の上部の傾斜の緩やかな谷間には石垣が築
かれた段々畑がある。現在はクリやイチョウなどの木が植えてあり、ほとんど放置されているようだ。 |
段々畑の一角にはイチョウの林もある。道端には銀杏の実が掃いて捨てるくらい積もっている。 | 自然林の中のモミジの紅葉が美しい。 |
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段々畑を過ぎ杉山の中を少し進むと少しばかり
平たい場所に出る。「西郷さんの休憩所」と紹介されている。 |
杉林の中は整備が行き届いており歩きやすい。 |
稜線のすぐ下の窪地には「西郷隆盛休息地」の
古い標柱が立っており、腰かけたかもしれない適度な大きさの石が散らばっている。どの石に座ったのかは誰も分からないだろうな。 |
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標柱のある窪地のすぐ上が「一ノ瀬越」の峠で
ある。南方向にトンギリ山、北方向に黒峰がある。 東の一ノ瀬集落へ下るルートは踏み跡が薄い。 |
我々は南側のトンギリ山へと向かう。トンギリ
山の東側をトラバースして南側から頂上に登るらしい。東斜面は傾斜が厳しく滑りやすい。注意しながら進む。 |
東斜面にある「夫婦ブナ」。何が夫婦かと探し てみると、この木の左下にもう1本ブナの木があることから名付けられたのではないかと考えたが如何? | ||
トラバースして南側の稜線に上がってきた。こ
こから山頂へちょっとだけ這い上がる。 |
登ってきたところがトンギリ山の山頂である。
小さくてかわいい山頂だ。後方左は小川岳、右が向坂山。 |
これが新聞にも紹介されていた標識。ケヤキの
立派な標柱だ。 |
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木の枝にカメラを固定して記念撮影。 |
足元の谷間(白い部)には栗藤集落が見えている。 |
一ノ瀬越へと戻り、北側の黒峰を目指す。山頂へのルートは樹木が少なく
草原の状態である。放牧地?、崩落地?、山火事?、カヤの刈場?・・・分からない・・・ |
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このあたりにはマユミの木がたくさんあり、紅葉の終わった山に華やかな
彩りを添えていた。 |
黒峰の山頂。北側に阿蘇、西には京丈山など脊梁の山、南には向坂山など
見晴らしの良いところだ。残念ながら東側は植林で視界がきかない。 |
一ノ瀬越に下り登山口まで一気に下る。 |
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紅葉の季節である。京の丈山の柏川林道あたりの紅葉が見ごろということで出かけてきたが、林道の通行止めがまだ続いており(2020年の春までとか)、歩いても入れないことから目標を急遽トンギリ山へと変更し、栗藤集落へと入ってきた。 2年前に比べると登山口の駐車場も草が生え、荒れた感じである。大河ドラマの「西郷どん」のブームが去り、来訪者も減少してきたということか。 この日、駐車した車は1台だけで途中誰とも会わない山行であった。 栗藤登山口P9:30-分岐10:50-トンギリ山11:15(昼食)11:50-分岐12:00―黒峰12:25 12:50-分岐13:00-登山口13:50 |
黒峰直下の草原はススキが風に揺れ美しい。 | 黒峰山頂に立つ標識。残された線から元の文字を読むのは面白いものだ。 |
黒峰途中から見たトンギリ山。均整の取れた山容である。 | ||
トンギリ山の山頂にて記念撮影 |