佐賀県多良岳(996m)

九州百名山(山と渓谷社「地図帳」)No18

 

中山キャンプ場からの登り道に広がる紅葉

 

  

多良岳山頂にある多良権現の祠

 

 九重や脊梁か らでも見通せる多良山系だが、数十年前に登っているものの、ほとんど記憶がない。どの登山口から登ったかも記憶があいまいだ。
 今回は、日帰りで多良岳、経ヶ岳に登ろうと計画し、朝6時に車で自宅を出発し3時間かけて太良町の中山キャンプ場にたどり着いた。
 天気は1日もつとの予報だったが、途中からガスってきて経ヶ岳山頂は霧に覆われてきたため、早々に経ヶ岳をあきらめ多良岳だけを周回することにした。


中山キャンプ場駐車場9:10―多良岳分岐10:20―多良権現(山頂)10:40 11:00―前岳(本多良)11: 20―多良岳分岐11:55―金泉 寺12:00(昼食)12:20―笹ヶ岳12:50―中山越13:10―キャンプ場駐車場13:50(全行程7.1km)


 多良山系の山々は1000m程度の標高ながら、変化にに富んだ岩稜は爽快さを、また、広いすそ野は山 の深さを、石段や石像等の多さは歴史の重みを感じさせてくれた。なかなか味わいのある山であった。

 

   
中山キャンプ場 にはきれいなトイレもあり駐車スペースも十分だ。正面小屋横から登り始める。   登山路には苔む した石の階段や石像も多く、信仰の山であることが感じられる。   坂にはそれぞれ 「千鳥坂」、「幸福坂」、「見上げ坂」と命名されているらしいが、命名の根拠は分からなかった。最初から急登が続き、次第に頭上に紅葉がか ぶさってくる。
   
登り始めて1時 間余りで多良川源流に着く。この辺りはオオキツネノカミソリの群落地とのこと。花の時期に一度は見てみたいものだ。
  稜線に上がった 所が「多良岳分岐」だ。多良権現の鳥居と石段は見事なものだ。   鳥居脇には役行 者の座像が安置されている。
   
多良岳分岐から 急な岩場をロープやクサリをつかみながら登ると多良岳山頂に出るが、ここは山頂というより神社の境内といった感じ。
  多良権現の祠前 で記念撮影。表記には「太良権現」とある。   多良岳山頂から 一旦下り前岳への稜線を進むと座禅岩に出る。ここにはアルミ梯子が架けられている。
   
途中にあった不 安定な岩。どう見てもギリギリのバランスで乗っている。地震でもあれば本当に落ちてきはしないかと心配だ。この上で座禅を組めば修行になる かも?
  前岳山頂。あい にくのガスで長崎方面も霞んでおり、僅かしか見えない。   帰路は、稜線上 から「六体地蔵」の方へと急坂を下り、巻き道を帰ることにする。
   
「六体地蔵菩薩 立像」。多良岳山頂の東側崖下に安置されている。江戸時代のものとか・・・
  「金泉寺本 堂」。経ヶ岳方面への登山路は本堂右側から登っているが、正面広場には何の表示もなく正直分かりにくい。   本堂左には金泉 寺山小屋があるが、平日は鍵がかかっており予約が必要なようだ。緊急の避難所としては使えないということか。
   
ここまでのルー トとは一変し、金泉寺から中山越へのルートに入ると案内の少なさに驚かされる。ペンキやテープの類がほとんど見えず、踏み跡はどうにか続い ているが、天候次第では迷いそうだ。要注意。   笹ヶ岳は北面の 崖下を巻いて進む。頭上の石も大きく割れており、いつかは落ちで来るのではないかと少し心配。   稜線をつたって 中山越に到着。ここから右に下るとすぐに林道に出る。林道は複雑に交差しているがメインルートをたどれば中山キャンプ場にほどなく到着でき る。