大分県九重山鉾立峠(1370m)

九州百名山「地図帳」(山と渓谷社)No35


2019年3月18日  佐渡窪のマンサクの花をもとめて鉾立峠まで

 

鉾立峠から三俣山を望む。坊がツルの法華院温泉も見えている。


咲いてはいるものの今年は花数が少ない?


  沢水展望台から佐渡窪を通り鉾立峠に至るルートはマンサクの名所として知られているが、私はまだ通ったことがない。
 マンサクが開花しているとの報告がネットに上がっており、今年は暖冬だったのでもうよいころかなと考え出かけてみた。

 マンサクはこれまで何か所かで見てきたが、どれも控えめで花の色の割には地味な印象を持っている。佐渡窪のマンサクは数も多く華やかな景色かと期待もしていたが、ここのマンサクも地味であった。本数は多いものの、今年は花の数が少ないようだった。
 
 しかしながら、このコースは九重のほかのコースにはない独特の雰囲気があって、なかなか気持ちの良いコースであった。



沢水展望台駐車場9:10―くたみ分れ9:40―鍋割峠10:40―鉾立峠11:30 11:40―(途中で昼食)―鍋割峠12:30―くたみ分れ13:00―駐車場13:25(全行程8km)

 

         
 沢水展望台駐車場。満杯かと心配したがガランとしており出発時点では2台のみ。正面を進むと稲星越へ。鉾立峠は右手のコンクリート道を進む。    駐車場のすぐ先で稲星越から下ってきた谷を渡る。正面左が稲星山、右が鳴子山。    しばらくは高低差の少ない道が続く。この先で、左手には杉や檜の人工林が、右手には牧草地が広がってくる。野鳥もよく鳴いている。

         
 道路沿いの馬酔木も日当たりのよいところでは咲き始めていた。

   30分ほどで「朽網(くたみ)分れ」に着く。「一番水」の方から登ってきた真新しい作業道に出くわす。ここから登山者も多くなった。「朽網」とは、近郊の朽網郷(直入郡)の領主の姓だそうだ。

   「朽網分れ」から鍋割坂を登り始める。鍋割坂の地名にはどんな意味があるのか知らないが、きっと面白い逸話かなんかが残っているであろうと想像した。
         
峠付近まで来ると巨石がゴロゴロとしている。大船山方向から迫った溶岩がこの谷を埋め、佐渡窪の湿地帯を形成したことがよくわかる。

   峠付近には観音様(?)の石仏が置かれている。    鍋割峠。この先は窪地になっており佐渡窪の湿地帯が広がっている。下り坂には一部石畳も残っている。中央奥は白口岳。
         
 窪地に下りると木道が湿地の中に敷設してある。雨天時の迂回路として左の山腹をまくルートも案内されている。

   このあたりは方々にマンサクの花が見えるが、カメラにはわずかに識別できるくらいにしか映らない。    佐渡窪の上部(奥の方)には灌木が生えている。登山路脇にはマンサクの低木もちらほらある。





 佐渡窪を過ぎて鉾立峠への登り道で振り返る。正面の低地が佐渡窪、その先の切れ目が鍋割峠。左手の溶岩が谷をせき止めている。

   鉾立峠にある案内板は、まっすぐに立っているのだが右足が長く平行四辺形をしている(傾いてはいない)。風景に合わせて平行四辺形に建てたのであれば、なかなか風情のある建て方である。

   我々も傾かないで平行四辺形となるように写真に納まる。
 
       






帰りに長湯温泉近くの「籾山神社」に立ち寄る。樹齢千年にもなろうかという杉の大樹が参道に並ぶ景色は圧巻だった。この近郊に自生する花々を鑑賞した。

 

ユキワリイチゲ。神社の裏山あたりに自生している。     神社横の空き地には福寿草の群落がある。     


 

ニリンソウ(花は一輪だがイチリンソウではなさそうだ)   神社南側のアズマイチゲ自生地。暖冬で例年より早いそうだ。