長 崎県郡岳(826m)

九州百名山地図帳(山と渓谷社)No17



2016年1月12日 ・・・ 多良岳山系の西端に位置し、照 葉樹林に覆われた優しそうな山でしたが・・・

下山途中の坊岩の先端から眼下に広がる照葉樹林帯を見下ろす。緑の深さが圧巻である。

野岳湖駐車場10:00―南登山口10:40―林道出会い10:55―坊岩分岐 11:45―山頂12:05(昼食)12:25
 ―坊岩12:35―送電線下13:00―西登山口13:20―駐車場13:45

 2016年初登りであるが、天候が気がかりなため長崎県大村市の北東部に位置する郡岳に向かうことにした。麓の野岳湖周辺にはキャンプ場やゴルフ場など の
レジャー施設が整備されており、この山もファミリー向けの整備された山であろうと予想し、ガイドブックをざっと見ておけば十分と考えた。
 湖畔の駐車場は、シーズンオフでもありがら空きである。車を止めていざ出発?したいのだがどちらへ行けばよいのか駐車場の看板だけではよく分からず、
大雑把な方向さえ間違えなければと湖畔の道を歩き出す。

 
野岳湖にかかる吊り橋の上から見た郡岳の全容。右側の 南登山口から登り左側の西登山口へ下る予定。 吊り橋を渡って公園を横切り、山道へ入るとほどなくし て南登山口が見えてくる。トイレと案内板があり数台駐車可能である。 ヒノキ等の植林帯に入り数分で送電線の下に出る。防火 帯として広い幅が刈り取られている。



植林帯をぬけると背の高い常緑樹の気持ちの良い登山路 である。ジグザグに道を取ることで傾斜が適度である。足元は歩きやすい。 道路わきには石積みした炭焼き釜の跡が何か所もあっ た。カシ等の樹も多いことからよい木炭が作れたのだろう。 登山口から1時間ちょっとで山頂へ着く。大村湾方向の 眺望はきくものの、この日はガスが流れてきてあまり視界はよくなかった。



山頂には三角点はあるものの標柱はなく、古びた木製の プレートが転がっているだけ。 下山途中で見かけたツタに絡まれた樹木。 山頂から1時間ほどで西登山口に着く。下のルート図で 見る通り地図の表記とは異なる場所である。




 前日にネットで数名のレポートを読んでみると「ルートが分かりにくい」との声があった。実際に登ってみて同じ感想を持った。
①池の周りの公園内でも、登山口へはどう進めばよいのか案内がない。国土地理院地図には南登山口も登山路も表記がないので細やかな案内が必要である。
②南登山口から林道に出て、その林道から左斜面に取り付くが、下を向いて歩いておれば林道を直進してしまう。表記場所に工夫が必要。
③坊岩からの下りのルートが分かりにくい。岩の右下方向に古びたテープが1本である。おまけに反対側の左側へもテープが下がっている。
 山と渓谷社「九州百名山地図帳」では、坊岩は上図のB地点とされているが、実際はA地点あたりである。
 わずかな違いだが、下りを右にとるか左にとるかでは反対になってしまう。
④山頂までの距離表示が間違っている。下から登っていると順に1650m、2000m、1500m、2000mと距離が増減する。 など・・・

ネットに不満を書かれている多くの方は「西登山道入り口が見つけにくい」(カーブの内側のガードレールの後方に設置)と書いている。
 国土地理院の地図が不完全なうえに、案内表示が不親切である。登山道には古い標識がたくさんあるがあまり役に立っていない。肝心なところになければ意味 がないのである。
分岐点や方向が変わるところ、危険なところなど表示が必要なところにきちんと整備して、野岳湖から家族で気軽に登山できる山にしてほしいものだ。

 両登山道は若干雰囲気は異なるが、いずれも自然林がよく残されており、植林部分も違和感なしに楽しめる良い雰囲気を持っていると感じた。
また、坊岩から見下ろした眼下の緑のじゅうたんは実にすばらしい。飛び降りても助かりそうな気分になる。
 今回我々は南登山道から西登山道へ回ったが、出会った人はほとんど反対に回られている。南登山道がゆるやかで距離が長く、西登山道は険しいが距離は短い ためだと思われる。
しかし、1周しても9km4時間程度の山である。どちらからでもこの山の面白さは味わえるのではなかろうか。