佐賀県基山(きざん 404m)

九州百名山(山と渓谷社1992年版)31p

 
 
  

基山山頂付近に立つ 基肄城跡の碑

2015年12月7日 大宰府防衛のために7世紀に築かれた山城「基肄城」史跡 を訪ねる

  九州自動車道の基山パーキングの裏手に広がる山が基山。7世紀に大宰府防衛のため北 方に大野城、西方に水城、南方の基山に基肄城が築かれたそうだ。
基山は東側の尾根から北側を回り西側の基山山頂を結ぶ馬蹄形をして おり、この稜線上に土塁をめぐらせ、馬蹄形の切れた部分を石垣と水門で囲っているらしい。
旧版の九州百名山には名を連ねていたものの、新版では姿を消してい る。
 今回は、この山に残る史跡をめぐる10kmの周回コースを歩くこ とにした。
基山総合公園駐車場11:00-水門跡11:30ー米倉跡11:50-東 北門跡12:10ー基山山頂12:40(昼食)13:20-瀧光徳寺13:45 ー駐車場14:50(全行程10.1km)



駐車場から約20分。谷川をさかのぼると水 門跡に着く。周りの石垣は最近修復したものと記載されている。立派な作りである。 水門からしばらく川沿いに登り、東側の稜線 へと登る。登りついたところが米倉跡である。大きな礎石が数十個あり、結構な規模であったろう。

稜線沿いには土塁が残っている。外側は3m 程の急な崖、内側は比較的なだらかな作りである。写真は東南門跡で土塁が切れている。
山頂付近は草原となっている。左端に見える 土台は数mの高さがあり当時の櫓跡か?手前に見えるこぶ状の土塁は「いものがんぎ」と呼ばれる防護施設らしい。

土台の上に上ると上は結構広く平らになって いる。ここが山頂で三角点と山頂の標識があり、付近には祠等がある。 山頂から基山町方面(東方)を望む。遠くに は英彦山も見えている。見晴らしの良いところである。
山頂から西側へ下ると草スキー場に出る。こ こまで車道が登ってきており、やや興ざめである。
シーズン中は草スキーのレンタルもあるそうだ。
草スキー場から15分ほどで紅葉のきれいな 瀧光徳寺に着いた。基山では大興善寺が紅葉の名所として有名だが、ここの紅葉も美しい。
本堂付近から見上げると奥の高台には五重の 塔が見える。この五重の塔は、九州自動車道を通っていると山の中腹に見えている。


 基山の山中には、七世紀の山城とはいうものの数々の史跡が 残っている。この山は大半が杉などの人工林であり、登山コースの近くまで林道が上がっており、
登山の対象としてはやや魅力に欠けるものの、歴史の名残を各 所で感じられる山であった。
 山頂に立つと、大宰府は北東の方向に位置している。唐と新羅の連合軍の侵攻に対処するためというが、さて、連合軍は有明海から攻めてくるのか、
それとも玄海灘から博多を大きく迂回してこの辺りを通って大宰府に迫ると考えたのであろうか、山頂に立って考えてしまった。
 山歩きという側面以上に史跡めぐりの色彩の方が強く感じられ、興味深い山であった。


2017年4月27日 友人と基山(基肄城址)を訪ね、大慈善寺へと回る周回コースを歩く

 今回は友人と2人で基山へと出かけた。出発地から基肄城址までは同じコースだが、山頂から今回は大慈善寺方向へと大きく周回してみることにした。山頂から草スキー場を下り、そこから林道へと入った。林道はしっかりと整備されている道路だが結構山深いところであった。
 おかげで、この時期の山菜であるフキとタラの芽が収穫でき予想外のことでもあり大満足であった。
 大慈善寺では祭りがあっているらしく賑わっていた。時間も遅かったので神社には寄らずひたすら歩き、少々バテながら出発地へたどり着いた。



総合運動公園駐車場10:10―水門跡10:50―基山山頂12:10(昼食)12:50―木花咲耶姫神社分岐14:00―大興善寺14:25―駐車場15:25(全行程14.5km)

 

   
水門跡の暗渠をのぞく。水門跡から尾根筋へと登り、米倉跡の礎石や土塁などを経由して山頂へと登る。

山頂の草原でオキナグサを発見。久しぶりにこの花を見てすっかり感動した。
     
 オキナグサの株には誰かが棒を立てて保護している。ありがたい。    山頂祠前で記念撮影。    この後はてくてくと歩き続ける・・・・・・・・