福岡県カラ迫岳((高峰山)(1006m)

2019年1月14日・・・金鉱山跡や国境石が散在する福岡・大分県境の山へ

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急崖に開いた金鉱跡の横穴          山頂直下の落葉樹林帯            両県境に立つ国境石

 

  今年の冬は暖冬である。いまだ雪が降らない。九重や阿蘇の山にも雪が見えない。3連休の最終日、暖かさに誘われて孫を誘いカラ迫岳に登ってみた。この山は八女市の広報パンフレットで初めて知ったのだが、金鉱跡や国境石などがあり面白そうな山である。

 調べてみると、この界隈の金鉱山は星野金山と呼ばれ、歴史も古く昭和18年に閉山するまで続いたとされている。最盛期には4000人が働いていたと か・・・。確かに古い地図(1933年発行地質図「山鹿」)には「熊渡」、「小室」、「矢野」鉱山などの鉱山名が記されている。また、付近の県道57号沿 いには異常なほどに神社がある。工夫たちの信心に応えてきたのであろう。


登山口駐車場11:00―金鉱跡11:30―稜線へ12:00―カラ迫岳山頂12:20(昼食)13:20―東ルート分岐13:25―登山口駐車場14:20

 一帯は安山岩の山だが、その割れ目に熱水が貫入してできた岩石も あたりに散らばっている。これらの石の隙間には、石英の結晶が無数にできておりキラキラと光って美しい。ひょっとすると小さな金の粒子でも付着してはいな いかと期待をしてしまうのは貧乏人の性というものだ。許して・・・

 

       
 県道から登山口まで舗装された通りやすい道路である。要所要所には案内もしてあり、初めてでもスムーズにたどり着くことができた。駐車場の左の坂を上り始める。

   渓流には、いたるところに石積みの堰堤がある。比較的傾斜の緩い斜面には石垣が積まれている。金鉱山の集積場や作業用の建物があったのではなかろうか。
   周りを鉄条網で囲った立て坑の穴がぽっかりとあいている。直径はせまいところでも1,2mはありそうだ。底の方は暗くて見えなかったが10m程までは視認できる。
       
 あたりには横穴も多い。柵で止めてあるものは奥が深そうだが、方々に試掘跡のような浅い穴がある。鉱脈が続かなかったのではないだろうか。

   金鉱跡は傾斜のきつい谷あいにある。    谷筋から尾根へと登るにつれて傾斜もゆるくなり、杉の人工林が多くなる。
         
 途中からカラ迫岳の山頂ピーク(中央の丸いところ)が見えてきた。

   県境の稜線に上りつくとT字路になっている。ここから左手に尾根づたいに県境を歩く。左足を福岡県に、右足を大分県に踏んで歩く。

   道路わきに大きなホコリダケ?を孫が見つけた。手で押さえて噴き出すホコリを見て、孫と一緒に一目散に逃げる。
         
 国境石は70数個あると書いてあったが確認できるものは少なかった。上部には番号が記され、下部には「従是北・・(これより北・・・)」の3文字までしか確認できなかった。それにしてもどの石も尾根路の左側に立っているのが不思議だが・・・

   山頂はせまい。我々5人でいっぱいといった感じだ。この後お湯を沸かし、暖かいカップめんでの楽しい食事となる。    山頂にはステンレスのボックスがあり「記録ノート」が置かれている。孫が感想を書いていたので、いつの日にかもう一度見てみたいものだ。


 素晴らしいながめだが、なんといっても眼前にボリュームを持って広がるのは釈迦・御前岳である。そのほか、阿蘇、九重、由布、八方、三国・国見、さらにはうっすらと雲仙まで気持ちのいい眺望である。    全員で記念撮影。    帰りは山頂から5分ほど下った分岐点を西ルートへ入ってみた。尾根づたいに急坂を下るルートであった。
         
このルートにも数か所掘り進んだ跡が残っている。

この横穴は奥までは見えなかった。登りに見た金鉱跡の上部にあるので、中ではつながっているのかもしれない。