宮 崎県地蔵岳(地 蔵岳1089m)
九州百名山地図帳(山と渓谷社)No77


2016 年12月6日・・・・コウヤマキが自生する急坂を往復する 
 
 
  5合目付近から山頂にかけてコウヤマキの巨木が自生している。高い木は20m近 くはなかろうか


 宮崎県央を流れる一ツ瀬川の中流、一ツ瀬ダムの北方に地蔵岳は位置する。尾鈴山と石堂山の間ともいえる。
この山の登山ルートは、案内書や地図を調べても尾八重橋からの1本しか記載されていない。
 登山口の400mから山頂の1089mまで約700mの高低差があるが、GPSで計測した距離は1.9kmしかない。
山と渓谷社「九州百名山」の山々の数値を調べてみても、この山の傾斜はぬきんでている。実際登ってみても、数値にたがわず急傾斜の連続する山であった。

地蔵岳登山口9:45ーコウヤマキの背11:00-打越分岐11:40-地蔵岳山頂12:10 12:35-登山口13:55



国道219 号線から尾八重川に沿って林道を30分ほどさかのぼった所が尾八重橋である。駐車場は橋を渡って左にあると記されているが、現在は工事事務所が建ってい る。橋手前の道端に駐車する。

地図に記載されている正式の登山口は、橋を 渡らずに10m程先に進んだところにある。左の札には「ここで無理に渡渉しないで、橋を渡って右に入ることをすすめる」旨の表記がある。
実際に橋を渡ると、きちんとした案内が立っ ている。ここから20m程ではあるが、谷側への急斜面を横切ることになる。雨の日は滑りそうだ。


ほどなく川を渡ってきたルートと合流し、植 林された急傾斜の斜面を、僅かばかりの踏み跡を頼りに這い上がっていく感じである。
植林帯をぬけると自然林に入るが、傾斜はま すます急になり、痩せ尾根となる。ロープが数か所設置されている。
尾根上の見通しが良いところに出た。ここか らは対岸の尾八重集落が見えている。左上には尾八重牧場も見えている。登山口は谷の底にあたる。


尾根上にあ る「コウヤマキの背」。ここから「コウヤマキの肩」までは、コウヤマキの木が密集している場所だ。
コウヤマキ は黒松やカヤの木などとも似ており、最初は区別ができなかったが、登山道に敷き詰められた落ち葉を見るとはっきりと区別できだした。

この付近には結構な大きさのコウヤマキがそ ろっており、人工林ではないかとも考えた。この景色が地蔵岳の顔ともいうべきものだろう。


7合目付近。急傾斜が依然として続いてい る。急こう配を喘ぎながら登っていると、下りは滑りはしないかと不安になる。
急坂を登り切り、南北に走る尾根に上がる。 ここは「打越分岐」である。が、分岐する道は見当たらない。この尾根を下ったところに「打越」の地名があるので、以前は登山道があったと思われる。

打越分岐付近はわずかに緩斜面となるが、山 頂に近づくとまた急斜面となる。


山頂には2体の地蔵さんが置いてある。どち らもよい表情だ。思わずニコリとしてしまう。
地蔵さんにあやかり温和な人格形成を願って 記念撮影。
山頂から10m程西へ行くと、僅かばかり見 える展望台に着く。岩に登りカメラを頭上に構えて望遠で撮影すると、石堂山が見えていることがわかる。右手奥は市房山のようだ。




下山後、対 岸の尾八重牧場へ上がり、林道「ひむか神話街道」を通って椎葉、馬見原へと走った。車中から眺める地蔵岳は尾根の一部のようなものだった。