熊本県市房山(1721m)
九州百名山地図帳(山と渓谷社)No61



2015年11月11日・・・・市房杉やモミなどの深 き森の中を登る
 
 
 市 房神社参道沿いにある夫婦杉の2本。幹回り6m強でまっすぐに天へと伸びる巨木である。

 紅葉がどのあたりまで降りてきているか不安に感じながらも、熊本県内では第2位の高さを誇る市房神社へ知人らと4人で出かけてみた。
数10年前(若いころ)に何度か登った際、とてもハードだったという思い出がある。自然林がうっそうとしており急坂の続く山というのがこの山のイメージで あった。
その頃は市房神社の拝殿のいろりを囲み、コンクリート床に寝袋で寝転んで登山していたが、今回は湯山温泉の民宿に一泊を予約して出かけるという優雅な登山 である。
 駐車場(林道終点)8:30ー市房神社(4合目) 9:00-市房山頂 12:00 昼食、「心見の橋」往復12:45ー駐車場所15:45



林道終点の 駐車場。登山届のボックスもある。キャンプ場から林道への入り口は分かりにくい。
神社参道に のこる杉の巨木。樹齢1000年程度のものが、数10本は残っている。どれもまっすぐに天を突き元気である。
  

4合目のコ ンクリ―トづくりの市房神社。ここから神社の裏側に回り、連続した急坂が続く。


神社から先は、杉やモミ、ブナなどの巨木が 続くがそれを過ぎるとヒメシャラの群生も見られる。
まだまだ急坂は続く。スリップに用心!

稜線が近くなると傾斜もゆるくなってくるが、足元は粘土層が多くな り、落ち葉と相まってよく滑る。この後、稜線付近では枯木が目立つが、そこには新たにアセビなどの低木が茂っており、森林再生の息吹が感じられた。
 

予定時間の1.5倍の時間をかけ、やっと山 頂に到着。360度の大パノラマ・・・といいたいところだが、この日は霧が完全には取れず残念。



霧が晴れて きた北方には二ツ岩が見えてきた。この辺りの標高には紅葉は残っていない。
山頂から西 方を望む。眼下に広がる集落が水上村の湯山温泉、その先に市房ダム、左後方は球磨盆地である。
 

駐車場から 山頂までは往復で僅か5km程度である。しかし標高差は900m強ある。




山頂から北方へ数分尾根を下ると「心見の橋」がある。
下は切れ落ちてるが、岩の上はそれなりの幅があり、
用心して渡れば大丈夫。





 今回のコースは、登山道下部ではさまざまな種類の巨木が茂り、その中を岩と根っこを頼りに急坂を登り続けた。後半は傾斜が緩むにつれて樹高も低くなり最 後は枯木に囲まれるといった感じであった。
 麓の湯山あたりから見ると標高差が1400mもあるのだが、その高さの実感がない。また、「山が大きい」という感じもしない。しかし、いざ登ってみると それなりのボリュームが感じられる山であった。急坂が際限なく続くように感じられた。やはり1700mの山であった。