熊本県平家山(1496m)・後平家山(1560m)

2018年11月26日・・・紅葉の終わった冬枯れの時期、脊梁の 中でも奥まった平家山へ入る

       平家山から後平家山へと続く稜線


平家山南面の山林火災(21ヘクタール)あと



 平家山 は脊梁の北部、京丈山から国見岳へとつながる稜線上に位置する山で、ここから南に向かって夫婦山、南平家山、五家宮岳、ウードヤ山とつながる稜線は五家荘 の樅木と葉木の集落を隔てている。

 名前の 由来は知らないが、耳 にしただけで平家落人との関係が想起され悲しい響きを持つ山名である。そのため、以前から登ってみたい山ではあったが山深そうであり、道はしっかりしてい るのか、山頂まで時間がかかるのではないか、などと勝手に思い込んでいた。おまけに九州100名山などに記載がなく、案内書でも紹介しているものはそう多 くはない。

 

 国道445号の二本杉峠を越え、二合から林道へ入り、「とぞの谷橋(平家山登 山口)」へと向かう。15分ほど走ると未舗装部分も出てきて路面が悪くなる。もう少し入れそうだったが、安全のため道幅の広いところに駐車して歩くことに した。

駐車場所9:00―平家山登山口9:10―作業道終点9:30―第2渡渉点9:40―山火事あと10:10―平家山山頂 11:15―後平 家山11:40―南尾根へ11:45(昼食)12:10―平家山山頂12:30―作業道終点13:20―駐車場所13:40(全行程7.8km)

(注1)
ヤマップの登山地図では「とぞの谷橋」を平家山登山口としているが、山と渓谷社の登山地図では「作業道終点」を平家山登山口と している。
(注2)ヤマップの登山地図には「作業道終点」の手前は右岸を上るルートが記されているが、実際には左岸 の作業道を上っている。

 

         
 駐車した場所。この後いったん舗装が切れる が、さらに300mほどは進める。

   舗装が切れた地点に登山口の表記あり。ここか ら先の作業道は車両通行不能。荒れた作業道を歩く。

   作業道の終点で沢に下り渡渉する。ヤマップの 登山地図ではもう少し下流で渡渉し右岸をさかのぼるように記載があるが、そのような踏み跡は見当たらなかった。

         
 渡渉後、下流方向へ急斜面をトラバース。ロー プ等もあるが足元は悪い。用心用心。

   ほどなくして第二渡渉点。丸太の橋がかかっている。    渓流の流れは澄んでおり水量も豊かである。

         
 ここからは杉ヒノキの造林帯の急斜面を這い登 る。ジグザグにルートは作られているがそれでも急傾斜だ。

   急な造林帯を抜け、尾根の杉林の中を進むと突 然視界が開けてくる。山林火災のあとである。2014年5月に焼失したらしい。痛々しい風景が山頂間近まで続く。

   平家山山頂はゆったりとした広さがあり、どこ が山頂かわからないような広さだ。眺望はほとんどきかない。

         
 山頂の表札の前で記念撮影。この日の登山者は 我々2人だけである。

   山頂付近から稜線にかけてはブナの大木も多い が、稜線の南面は焼失してほとんど大木がない。

   稜線上で見かけた巨大な毒グモ。登山者を威嚇 している。


 怪しげなコケに覆われて横たわるブナの枯木。

   平家山から国見岳方向へと稜線をたどるとほど なくして隣の後平家山へとたどり着く。この山も山頂は広い。
   後平家山山頂にて。この山は標高1560m で、平家山グループ(平家山1496m、南平家山1511m)では最も高い。

         
ふもとの谷筋まで高低差600m程を一気に下る。転がり落ちるような急 勾配である。


下りの林道沿いにわずかばかり残っていた紅葉したカエデ


 奥深いイメージの平家山であったが、実際は稜線近くまで人工林がが入り込み、登山 ルートも整備されており不安は全くなかった。
強いていえばアプローチが大変ということだろう。登山口までの林道を通る車はほとん どない。道路上には落ち葉が積もっておりスリップしないか、陥没はないかと不安になる。「山深い」とは山そのものではなく、アプローチの困難性からくるイ メージなのかもしれないとふと思った次第である。