宮崎県花切山(669m)

九州百名山「地図帳」(山と渓谷社)No82

花をめぐる九州山歩き(西日本新聞社)p134

 

       2016年の台風で 崩落や倒木が生じ、荒れ果てている。

2017年4月14日  椿山キャンプ場から花との出会いを楽しみに花切山頂へ

 花切山は九 州百名山の初版にはなかったが、地図帳版には掲載されている。登山コースとしては、加江田渓谷入口の丸野駐車場から入るコースと椿山キャンプ場側から登る コースとがある。前者はコースが長く所要時間もかなり長いため、椿山キャンプ場から登ることにした。
 後で知ったのだが、2016年の台風で加江田渓谷一帯は崩落等で通行止めになっていたのである。これを知らずに帰路は「あかご淵」へと下ったためあわや 遭難となりそうな大変な事態となった次第である。

 我々が反省すべき点もあるし、登山路などの管理者にも配慮すべき点がありそうだと感じている。

椿山キャンプ場駐車場9:30-遊歩道入口9:35―花切山登山口9:50―あかご淵分岐10:55―花切山山 頂11:55―展望所12:05(昼食)12:20―あかご淵分岐12:45―標高242m地点13:25―あかご淵14:45―緑色鉄橋15:15―花 切登山口16:25―駐車場16:45(全行程12.2km)

 

   
  椿山キャンプ場駐車場。我々1台だけである。     遊歩道入口。車はここまで入れる。画面左端に小さな立札はあるが、手前に見える水色のたて看板は倒されていて見えない。これが悲劇の1番目。
    川沿いには美しい花(名称不明)の群生があった。
   
花切山への登路 は遊歩道から左に分岐する。
この遊歩道をまっすぐ行けば加江田渓谷入口へと下っているはずだ。 ここでは通行禁止の表記がなかったのが悲劇の2番目
  & nbsp;この登山路もトロッコ軌道跡らしい。一定の幅とが確保され急勾配はない。     ほどなくして滝コースと分かれ、さらに渡渉するといよいよ尾根コースに入る。ここからは山道だ。
   
  途中には梯子場もあった。     急傾斜の尾根をどんどんと高度を上げていく。
    登山路に生えていたギンリョウソウ。
   
  頭上にはヤマツツジが咲いている。     登山路にタヌキが寝転んでいる。こちらを向いてもなかなか動かない。カメラを向けるとそろそろと逃げて行った。   花切山山頂。照 葉樹林がうっそうとしており、視界はほとんどない。
   
山頂から少し下ったところにある展望所。宮 崎方面が見渡せる。
西側には鰐塚山が一望できる。展望所で昼食 をすませ、あかご淵へ下ることに決め下山を開始。計画を変更したのが悲劇の3番目。
あかご淵への分岐。踏み跡もしっかりしてお り、何の心配もせずにこのコースを下り始めた。
ここにはなにも表記がない。道を遮るロープもなかったのが悲劇の4番目。



標高 242m地点付近から踏み跡が不明瞭になり、GPSでも地図のルートと違うところを通っている。不安に思い引き返し始めたところ、道標が2か所あったため 間違いないと確信し再度下り始める。これが悲劇の5番目。

次第に山が荒れてきて、倒木が多くなり歩き にくくなる。さらには斜面の崩落も至る所に発生しており、どうするか迷いだす。眼下に加江田渓谷は見えており、GPSでも2~300mの距離だ。突破する ことに意を決し、崩落地を下る。
崖を下り、倒木の上を渡り、四苦八苦して辛 うじて加江田渓谷に下ってみると、ここの道路は写真のとおりの崩れ方である。渓谷沿いに椿山キャンプ場までたどり着けるか不安がよぎる。


加江田渓谷へ流れ込む支流。この100m上 流まで倒木の中を下り、その後右岸の杉山の中を通ってあかご淵まで下ってきたことになる。
この後、道路崩落のため一旦渓谷に下りて300mほど川沿いに上って鉄橋を渡ることができた。

鉄橋を渡ると左岸は比較的被害も少なく、普 段通りに歩くことができた。もう一回右岸に渡るはずなので最後まで繋がっていることを祈るばかりである。左岸を進んでいると対岸の杉山はなぎ倒されてい る。

ところどころ崩落はしていたがどうにか通過 できた。花切山登山口の分岐まであと1km程だ。安全に帰り着ければと祈るばかりだ。


  やっと最後の鉄橋にたどり着いた。あとは朝通った道なので安心だ。疲れがどっと出てきた。     さて、遊歩道入口に帰ってみると、確かに立札が立っていた。朝、これを見たものの、付近の自然観察路の注意書きを見ていたので同じものと早飲み込みをして いた。     足元に倒されていた看板。強風で飛ばされるのを心配してか、ご丁寧に伏せて倒され、ブロックが載せてあった。こん畜生!!

 これまで50年ほど山登りを続けてきて、今回ほど怖い思い をしたのは本当に久しぶりであった。
若い時は勢いで突っ切り怖い目にあったこともあったが、年を重ねて無理はしないつもりでいた。体力は落ちても判断には自信を持っていた。しかし、今回落と し穴に落ちてしまった。
何が悪かったのか、思い返すと反省点がいくつも思い当たる。