長 崎県八郎岳(590m)
九州百名山地図帳(山と渓谷社)No22


2016 年11月25日・・・長崎市を見下ろす八郎岳を訪ねて

 
 
    山頂からは眼下に長崎市が広がる絶景が楽しめる。中央に女神大橋が見える。

 
 下りの松尾岳付近から見た八郎岳(左)と小八郎岳(右)。「八」の字の形をしており山名の由来にも?


 長崎市南部に位置する八郎岳は長崎市内最高峰である。山頂から北方に長崎市街が、南には天草灘から天草の苓北町方面がよく見えて半島の山らしい眺めであ る。
 「八郎」の名は鎮西八郎為朝伝説かと考えられる。ネットには「為朝が山頂から弓矢を放っていた。矢の落ちた場所が現在の落矢ダムの場所だ。」などと紹介 している。
熊本県宇土半島の付け根に位置する雁回山に も同様の伝説が残っている。

 登山口は国道499号線の平山バス停からすぐであるが、交通の便は良いものの駐車場がない。
登山口奥の市民農園専用駐車場や近隣の大型店の駐車場はあるものの利用するわけにはいかないだろう。有料駐車場でもあればありがたいが・・・
結局、平山から3km程先の為石港に車を止め、バスで10分ほど戻り、帰りはバスがなかったので港まで歩いてもどった。山中の歩行距離は短かったので程よ い運動になった。


平山バス停10:15―登山口10:20ー八郎岳山頂 12:00 12:20―小八郎岳12:40―千々峠(乙女峠)13:10
 ―佐敷岳13:30―松尾岳14:15―平山バス停14:50(全行程7.0km)



墓地の角にある登山口の階段。手前左に墓地 専用駐車場があるが、部外者乗り入れ禁止の看板が立っている。
登山道は整備されており、人工林や自然林の 中をただひたすらに登っていく。この山の岩石は古生代の結晶片岩(板状に割れやすい)である。


登るにつれて緑色系、白色系、黒色系と場所 場所で色が異なるが、中にはキラキラと輝くものもある。


中間地点あたりに突如として「はちろうへよ うこそ」の標識が現れる。
ここが登山口なのかよー? 意味不明です。

山頂も間近である。眺望はほとんどなくただひたすら登るのみ。
突然開けて八郎岳の山頂に出る。小高い丘に なっており眺望が開けるが、東側の雲仙方向だけは樹木が邪魔になり視界が悪い。



山頂にて記念撮影。昼食をすませ小八郎岳と は逆に北東方向(熊ヶ岳方面)へ歩き出す。5分ほどして作業道に出る。ここで南へ方向転換する。
作業道から左に分岐して小八郎岳の山頂に登 る。山頂へ登らずに千々峠へ迂回するルートもある。
千々峠(乙 女峠)。一帯はワラビが密生している。この時期には枯草でグロテスクな感じである。佐敷岳へは直進するが、ここから先は人通りも少ないらしくクモの巣に悩 まされる。



林の中から ひょっこりと佐敷岳山頂に出る。天草方面の眺望がすばらしい。このまま直進して寺岳経由の道もあるが我々は少し戻って松尾岳方面へと下る。
尾根筋をどんどん下ると松尾岳山頂である。 松尾山の標識は尾根の途中に立っており、三角点はあるものの山頂の体をなしていない。
最後は人工林の中の急坂を麓へと下り、サイ クリングロードに着く。国道はすぐ先に見えるが、シカ・イノシシ除けネットで遮蔽されており、なかなか行きたい方向へは行かせてくれなかった。



途中で見た葉っぱ。色の付き具合が美しい。
山頂にはサザンカの花も咲いていた。
持ち帰った結晶片岩。キラキラと光って見え るのは雲母ではなかろうか。