熊 本県高岳(1592m)
九州百名山地 図帳(山と渓谷社)No42


2014年6月9日 熊本県阿蘇高岳へ砂千里コースから(高岳 1592m)


 
この時期、九重を中心としてミヤマキリシマが見ごろ を迎えますが、今年は異変続きのようです。
九重では害虫の食害がひどく枯れかけた状態だとか・・・ また、阿蘇山では火山ガスの影響で仙酔峡や阿蘇山上のツツジがほとんど咲かないなど寂しい情報ば かりです。
阿蘇高岳の東側(日尾峠側)が開花しているとのわずかな情報に期待して、梅雨の中休みの時期ですが友人3人で砂千里からのコースを登りました。
 このコースは、火口の眺望もよく阿蘇五岳を見渡せる阿蘇らしいコースだといえます。往復11kmに5時間半かけた快適な山行でした。

 阿蘇 山上広場8:45-砂千里入り口P9:05-東側火口壁への登り口9:30-南岳山頂10:25-中岳山頂10:40発10:50-高岳山頂11:10
昼食11:30-東峰(天狗の舞台)12:00-月見小屋12:10-中岳12:40-南岳13:00-砂千里入り口P13:45-山上広場14:10



阿蘇山上広場 付近の枯死寸前のミヤマキリシマ。地面に生えた数cmの小株を除いて全てがこの状態。ガスのせいとはいえ可哀そう。
砂千里東側の 壁面。中央の窪んだ所を上るとこの奥に南岳がある。
火口壁の上か らは、中岳火口、砂千里、草千里を挟んで烏帽子岳、杵島岳の大パノラマ。


高岳東峰の東 側斜面には開花しているミヤマキリシマもあったがその数もわずか。
高岳火口の内 側。気流が流れにくい?わずかな部分にしか花は咲いていない。
梅雨の合間で 気温も低く、時折ガスがかかる中、高岳山頂にて今回の3人の記念写真


 
花が咲いていないとの情報は聞いていたが、花だけで なく葉もなく枯死寸前の状態の木を見て言葉がない。
火山灰や砂礫といったやせた酸性土壌に這うようにして生きているミヤマキリシマの生育環境の過酷さを、改めて知らされる。
しかしながら、地面に生えたわずか数cmの幼い株は意外と元気にしている。周りの雑草や岩などに遮られてガスの影響が少ないのかもしれない。
また、花も葉もない枯れ枝の状態の株も、よく見ると株の内部の方にはわずかながら若葉が芽吹いているのがみてとれる。
株の表面は死滅しても内側の方はどうにか生き延びたのかもしれない。厳しい自然環境とともに生命のたくましさも感じさせられた。
 来年、いや数年後また元の状態へと復帰していくことを期待したい。