熊本県天草観海アルプス
 竜ヶ岳(470m)
白嶽(372m)金比羅山(268m)

九州百名山地図帳(山と渓谷社) No63

①二弁当峠―念珠岳―龍ヶ岳へ ②二弁当峠―鹿見岳―白嶽―牟田峠へ ③牟田峠―金比羅山―高舞登山へ

 天草上島の東側、南北に連なる20数kmに及ぶ山並みを「天草観海アルプス」と呼んでいる。標高は最高でも念珠山の503mしかない。

トレイルランのコースにもなっており、1日で駆け抜ける人も結構いるらしい。我々は2日かければ踏破できると思っていたが、ゆっくりと眺めながら歩いていると

結構時間がかかり、結果的には3回に分けてやっと踏破することができた。低いながらも要所要所からの海の眺めは飽きることのないものである。

 春先のポカポカ陽気の中を歩けば最高の気分になること請け合いである。

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①2015年2月14日・・熊本県天草観海アルプスの南側(二弁当峠から龍ヶ岳へ歩く


  冬とはいえ穏やかな天気に誘われて 天草の観海アルプスの南半分を歩きに出かけた。標高こそ高くはないが、アップダウンの多い結構ハードなコースである。
しかしながら稜線の道は両側とも眼下は海(東側が八 代方面、南西側は御所の浦島、長島方面)で、絶景の景色を堪能することができた。周回はできないので、
最後はタクシー(地元に龍ヶ岳タクシーがある)で二 弁当峠まで車を取りに戻った。

二弁当峠上方の龍ヶ岳歩道入口10:10-念珠岳 12:00-烏帽子岳13:10-大作林道14:10-龍ヶ岳15:00-龍ヶ岳登山口(上天草病院)前バス停16:00


      
登山歩道入 口。峠から林道2.5km程。駐車可
九州自然歩 道で道幅広く階段多し。よく整備されている。全行程階段であることは、最後には足がガクガクすることに・・・


念珠岳も間 近?に見えていながらアップダウンの繰り返しでなかなか先には進まない。


念珠岳山 頂。このコースでは最高標高502m


念珠岳へは 途中からピストン。山頂から見た南方向。烏帽子岳、中央に龍ヶ岳、その先には不知火海が一望される。先は長い。


北方向を見 れば次郎丸嶽が見え、その先は有明海。



烏帽子岳も 途中からやぶの中を往復。山頂東側の岩下は100mの断崖です・・


最後の竜ヶ 岳山頂付近には梅の花もちらほらと咲いていました。



やっと着い た龍ヶ岳山頂からの眺望。御所の浦島、その先には獅子島、長島などがキラキラと・・




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②2018年3月13日・・・観海アルプスの中央部分(二弁当峠から白嶽を越えて牟田峠まで)



       白嶽山頂から姫戸方面を望む









 3年前二弁当峠から竜ヶ岳を通って海岸まで下っていることから、今回は、北半分を歩くことにした。標高で は南側の方が高く、北側は400mに満たないが、結構時間がかかりそうだ。

 松島の運動総合公園に車を置き、タクシーで二弁当峠まで移動し、そこから北上することにした。コース最後の高舞登山までたどり着けるか不安な中での出発となった。









二弁当峠8:50-鹿見岳9:20-林道分岐9:45-矢岳神社10:20―白岳山頂11:00 11:10-蕗岳分岐 11:55(昼食)12:15―牟田峠13:00-国道324号13:50-駐車場14:15(全行程12km)

         
二弁当峠の出発点。九州自然歩道の案内板などがある。正面林道の右手を上っていく。
   峠からいきなりの階段である。登山路のすぐ左下には林道が走っているのが見える。
  鹿見岳山頂に到着。視界はほとんどきかない。稜線上の一つのピークに過ぎない。
       
 鹿見岳から高度を下げ左手の林道に下り、さらに高度を下げていくと、東側の海岸から登ってきた林道にぶつかる。ここから左に林道をたどりキャンプ場の方向へと進む。

  途中で巨石群が現れる。摩訶不思議な解説が書かれているが、少し思い込みがひどいようにも思うが・・・   林道途中から白岳山頂へと登山路は登り始める。
   
 杉林の中の整備された道を登りきると白嶽山頂に出る。

  山頂は広く、四方に視界が開けていた。   東側は足元から垂直に落ち込んでいる。この先に不知火海が広がっている。高度差は100m近くあるのだろうか・・・
   
 山頂から林道に戻り、さらに進むと白嶽湿地に出る。白嶽と西側の鋸岳との間に挟まれた谷間に長く広がっている。木道から外れては歩けそうにない。

  湿地をぬけるとまた稜線歩きに戻る。しばらく行くと蕗岳への分岐に出る。すぐ右に蕗岳はあり、ここも眺めがいいらしいが今回はパス。   すぐ先に展望所があり、この付近で昼食を済ませる。


展望所の先は急崖になっており、階段の傾
斜も別格だ。こけると危ない角度だ。


急な階段を下って崖の麓に下った後、
稜線に戻りさらに高度を下げていく。

送電線の下を抜けると峠も近い。
         
ようやく牟田峠に下ってきた。時間も押していることから、今回はここから麓へと下ることにした。



       


3月ではあるが、道端にはいくつか花が咲い
ていた。






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③2019年1月7日・・・残された最後の観海アルプス北側を歩く(牟田峠から高舞登山へ)

高舞登山山頂から天草松島を望む




 3年前二弁当峠から竜ヶ岳を通って海岸まで、また昨年は二弁当峠から白嶽を超えて牟田峠まで歩いている。牟田峠から金比羅山、高舞登山を越えて海岸までの区間(距離にすれば5、6kmか)がわずかに残っており機会を狙っていた。

 ニョロの心配のない冬の時期で、しかも寒くもない天候の日がベストである。この日、天気予報を見て絶好の天気だと思い朝から出かけてみた。

 今回は、距離も短いことから一周歩いて回ることにした。月曜日 は松島総合運動公園が閉館日にあたるため駐車場は使えない。
 高舞登山登山口前の広場に車を止め、集落の中の道を南下して牟田峠まで登り、そこから前回の続きを歩くことにした。









高舞登山登山口9:15-牟田峠10:30-金比羅山10:55-金毘羅神宮11:15―阿岳神社11:30-調整池 12:05―茶屋峠12:20-高舞登山12:35(昼食)13:00-高舞登山登山口13:25(全行程10.6km)

         
高舞登山登山口バス停前の広場に駐車する。    牟田峠に到着する。ここから階段を登り始める。
  金比羅山へ向けて徐々に高度を上げていくが、傾斜は緩やかである。前回の中央部分のような急な傾斜はない。
       
金比羅山の頂上は鈍頂で眺望がきかない。
「苓東山」の標識もあるので複数の呼び名がありそうだ。今日のコースではここが最高標高258mだ。
  北に向けて稜線を進んでいくと、突然周りの風景が変わる。それまでの鬱蒼とした照葉樹林帯から、松などの中低木の下にシダが茂る明るい林に代わる。伐採?火災?崩落????
この変化は、この後何か所かあった。
 
  金比羅神社が稜線上に立っていた。神社裏には古い木材と瓦が残されており再建されたらしい。現代の瓦、合板の壁、アルミサッシの建物だ。国土地理院地図の位置から200m程離れている。
   
 建物内部には、3石神と2石仏が安置されている。案内によるとキリシタン一揆後に衰退していた拝仏、崇神の復活を意図して建てられたものではないかと書いてあった。

  経路は、神社横から180度方向を変えて下っていく。ここから下は神社の参道として作られたものと思われる。傾斜面には側溝を掘り、一部には石畳が敷き詰められており、ずいぶん古くから大切にされてきた道だと感じる。
 
  経路からほんの10m程離れた所に「阿岳山」の標識はあった。一帯は古い泥岩質の岩石に覆われており、風化してぼろぼろと剥げている。おろし金の上に立っているような感じだ。
   
 表記はないがどうやら「阿岳神社」らしい。右手のブロック積みの展望台が何とも面白い。

  登ってみると確かに眺望は開けるが、神社を足元に見下ろす位置である。   左上に調整池のフェンスが現れる。フェンス越しに眺めると結構な広さがある。この高所にどこから水を引いているのか不思議だ。教良木ダムから?
 


一般道に合流し、しばらく進むと茶屋峠の十字
路に出る。ここにも自然歩道の案内板がある。


十字路をさらに北上し、高舞登山への分岐を
左に登り始める。

高舞登山側の入り口に立つ観海アルプスの案
内表示板。
       
高舞登山の展望台の上で最後の記念撮影。これで上天草島の東側を南北に歩きとおしたことになる。この後車道を海岸線まで下って完了!